概要 - 特定非営利活動法人 水辺基盤協会
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水辺基盤協会について

概要

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法人名 特定非営利活動法人 水辺基盤協会
所在地 【本 部】〒300-0428 茨城県稲敷郡美浦村舟子23 ログハウス
【事務所】〒300-0332 茨城県稲敷郡阿見町中央7-14-2
Tel & Fax 029-888-8140
役 員 理事長 吉田幸二
副理事長 升 秀夫
副理事長 小林研一
理事 布川昭男
理事 斉藤憲治
理事 藤野佳織
理事 玉井敬浩
理事 塩澤美芳
監事 榎戸 富
監事 金澤一嘉

1995年、霞ヶ浦の水辺に不法投棄されたゴミは、目に余るほどだった。「このゴミを何とかしよう!」と霞ヶ浦に通う釣り人が集まり、1996年2月25日より清掃活動を始める。
釣り人が釣り場や魚たちを守るために始めた清掃活動は、現在ではより多くの人々の賛同を受け、2005年に特定非営利活動法人(NPO法人)として茨城県に認証され、2008年にはそれまでの活動が認められ、環境省と茨城県、(社)日本河川協会より表彰される。
現在も、霞ヶ浦の水質浄化のため「53 Pick Up!」は年二回、「防塵挺身隊」は年六回活動し、環境学習の一環として、釣りを通じての水辺のアプローチを子供たちに提唱している。

内容

霞ヶ浦の環境保全に深く共感し、霞ヶ浦の環境実態を理解する釣り人を主体に、水道水や農工業用水としての霞ヶ浦の水質保全や安全を確保するため、ゴミ投棄に対する防止の啓発と、投棄されたゴミの回収を行っている。
我々の活動への参加者は参加費を支払い、手作業で水際のゴミの回収を行っている。徴収した参加費は、拾い集めたゴミの処理費用として、産業廃棄物処理業者などに支払われる他、傷害保険料として充当される。
これは、ゴミの処理費用が想像以上に莫大であることを参加者に知って貰い、水辺への不法投棄が罪悪であることを周知するためである。また、活動を安全に行うために、軍手やゴミ鋏、拾ったゴミを入れる袋などを配布し、参加者を万一の場合の傷害保険に加入させる費用にもなっている。
我々の活動は、参加者によって支払われた参加費による自助自立の活動で、拾い集めたゴミは待機している産廃収集コンテナに積み込まれ、その日のうちに処理事業所へと搬入され処理される。また、霞ヶ浦河川事務所と流域市町村によって処理される場合もある。
2003年には別働の防塵挺身隊が始まり、ボートや胸までの長靴、長熊手、水中探査機など、専用の道具を活用し、通常のゴミ拾いでは拾えない水辺や水中のゴミを回収している。
回収したゴミは陸上班によって分別され、適切に処理処分される。回収されたゴミはデータ化され、霞ヶ浦流域のゴミの分布や、ゴミの質、ゴミの量など、勉強会や反省会に使われている。

結果

水辺から回収されるゴミには、生活ゴミや家電製品、自動車や建築関連の廃棄物、さらには医療廃棄物など、通常では考えられないほどのゴミがある。日本に美しい河川や水辺を残すための活動として、国や地方自治体、市町村などの行政と協調・協力して水辺の清掃活動を行っている。
霞ヶ浦は水道水として重要な水域であり、水道事業における利用者は百万人に達している。霞ヶ浦や流域河川に投棄された生活ゴミや家電製品類が、水質へ与える影響は計り知れない。我々の活動は水道水の安全性を高め、霞ヶ浦流域住民の公衆衛生に広く貢献していると考える。
霞ヶ浦の水質改善のため、常陸川水門への魚道設置要望書24,000人の署名を国土交通省霞ヶ浦河川事務所に提出、08年着工、11年完成予定。
また、霞ヶ浦河川事務所の公述公聴会にて、湖岸の不法投棄防止パトロールの意見を提案、これが07年に採用され、流域市町村との協議会がその年の12月に開催された。
国土交通省霞ヶ浦導水工事事業の支援で、2007年9月第一回目の那珂川清掃活動を開始、また11月の霞ヶ浦での防塵挺身隊の活動後、導水工事事業の勉強会を開催。2008年3月には霞ヶ浦導水工事事業早期完成要望書1,226名の署名を国土交通省に提出。2010年3月には国土交通省三日月大造副大臣に、霞ヶ浦導水工事早期完成要望書と2,500名分の署名を提出。
水辺のゴミ拾いは汚くて辛い作業であるが、継続する事によって他の市民団体や行政にも理解され、行政・市民団体・企業・住民の連携が取れる活動にまで成長した。これらの実績が認められ、2008年に社団法人 日本河川協会より河川功労者賞を、茨城県より環境保全功労者賞、環境省より水・土壌環境保全活動功労者賞を授与し、2010年には財団法人 河川環境管理財団より優秀賞を授与する。
その後も変わることなく活動は継続され、現在に至る。1996年から2002年までは、毎年概ね5トンほどのゴミが霞ヶ浦湖岸から回収除去され、防塵挺身隊がスタートした2003年以降は、毎年10トン以上のゴミが霞ヶ浦から回収されている。これまでの我々の清掃活動では、概算で120トン以上のゴミが、霞ヶ浦から回収処理されたことになる。

効果

霞ヶ浦で誕生した釣り人による水辺の清掃活動「53 Pick Up!」は、日本全国の釣り人の共感を得て、日本全国に波及した。現在、日本の水辺で「53 Pick Up!」活動が開催されているのは、別表の通りである。
湖沼や河川、そして海を問わず、水辺に釣り人が集う限り、今後も日本中で「53 Pick Up!」は広がり続けると考える。

1996年より2020年までに清掃活動が行われた日本の水辺

茨城県 霞ヶ浦・土浦 霞ヶ浦・大山 霞ヶ浦・洲の野原 牛久沼 北浦(行方・潮来) 与田浦 小貝川上流 小貝川下流 新利根川 横利根川 那珂川 鬼怒川
千葉県 印旛沼 高滝湖 利根川 黒部川
神奈川県 芦ノ湖 津久井湖 東京湾根岸湾 丹沢湖
山梨県 山中湖 河口湖
福島県 桧原湖 いわき野池
長野県 千曲川 小渋ダム 木崎湖 野尻湖 小山田池 白樺湖
新潟県 坂田池 長峰池 鷲木大通川
愛知県 三好池 三河湖 入鹿池
岐阜県 大江川 中池 伊自良湖 小渕ダム
滋賀県 琵琶湖・湖北 琵琶湖・湖南 琵琶湖・吉川港
京都府 桂川 大野ダム 宇治川
大阪府 淀川 大阪湾・貝塚人工島 大阪湾・深日港
兵庫県 加古川 大阪湾・西宮浜防波堤
奈良県 大和川 佐保川
三重県 長良川下流
徳島県 旧吉野川
高知県 波介川
香川県 府中ダム
愛媛県 玉川ダム
広島県 芦田湖
岡山県 高梁川
山口県 菅野湖 米泉湖
福岡県 遠賀川
佐賀県 松浦川 新田川 嘉瀬川